2013年6月6日木曜日

よくわかる母乳育児

みぃです。
今回は『よくわかる母乳育児』という本の紹介をします。

母乳育児の支援者(医療従事者)に向けて書かれているので、一般の方にはわかりにくいかもしれません。「母乳で育てたい」と希望しながら、必要な知識がないために母乳で育てられないという人を支援するための本です。母乳至上主義というわけでは決してなく、むしろ積極的に人工乳を選択したのであれば、その意思を尊重すべきとしています。

母乳育児のメリット、食生活と投薬、アレルギーなど医学雑誌に掲載された論文をもとにした幅広い情報が載っています。
乳房の解剖や母乳分泌の生理も詳しく解説されていて、マッサージ師の私にも非常に参考になりました。

科学的根拠がないまま育児書に載せられている情報が多いことを改めて知りました。ほとんど疑問を持たなかった自分を反省中です。
例えば「脂っこいものを食べると乳腺炎になる」という通説ですが、母乳分泌の生理からみると、食事の影響を受けるのは脂肪酸の種類であって量ではないようです。実際に脂肪摂取と乳管閉塞の関連を検討した論文はほとんどなく、欧米でも脂肪摂取制限は行われていないそうです。(もちろん脂肪のとりすぎは母親自身のためにも良くありません)

赤ちゃんの生命力の強さに感心した記事もたくさんありました。出生後に母親の腹部に置かれた赤ちゃんは乳頭のところまで這い上がり、平均50分後には自力で乳房を吸い始めるそうです。野生動物だけかと思っていましたが、人間の赤ちゃんもたくましいですね。

私は2児の母ですが、上の子はミルクとの混合、下の子は母乳のみで育てています。1回の母乳量があまり多くないのか授乳が頻回になります。離乳食が始まる頃まで2~3時間おきでした。
ただ、下の子を出産後にこの本を読み、体力的な辛さを補って余りあるメリット(乳がん、卵巣がん、子宮体がん、骨粗鬆症、関節リウマチ、生活習慣病のリスク減など)があるとわかったので、今回は頑張って続けることができました。

授乳のみならず、母親は妊娠直後から心身ともに大変な日々が続きます。肩こり、腰痛、腱鞘炎などの症状があっても我慢しながら頑張っている方がとてもたくさんいらっしゃいます。様々な不安を抱えて、精神的に余裕がなくなることもしばしばです。
身体のコンディションを整える、情報提供をする、愚痴や悩みを聞くなど、少しでもお力になることができれば幸いです。お悩みをお持ちの方は一度ご相談ください。