2013年7月30日火曜日

第35回浜松医科大学公開講座 その4

わしです。
第35回浜松医科大学公開講座その4です。
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「心臓病とつきあうための工夫」
・心臓病はなぜ怖いか?
①高齢になるほど心臓病が起こりやすい
②心臓の悪くない人にもおこる
③突然発症し、死亡の原因になる
④苦しい(心臓が止まり、肺に水がたまるので)
⑤脳卒中の原因になる
・心臓病には多くの種類があるが、最終的に死亡にいたる、または障害を残す主な合併症には心不全、重篤な不整脈、脳梗塞、感染症がある。
・心臓病と長くつきあうためには次のことが大切
①自分の病気と重症度について知る
②日常生活での自己管理を行う
③栄養管理を行う
④生活に運動を取り入れる
⑤薬について理解する
⑥緊急時の対処を正しく理解する

以上、要点をまとめてみました。
過剰な負担をかけない生活が心臓を守ります。
血圧を下げる、脈拍をゆっくりにする、体重を落とす、体力をつける、ストレスを避けることが大切だそうです。
「心臓を守る」とは、持病のない方であれば普段はなかなか意識されない視点かと思います。
ものごとの一番大事なところを「心臓部」と言いますが、心臓という臓器がいかに大切であるかが窺える言葉ですね。
きちんと休みながら心臓をいたわり、上手に使っていきましょう。

2013年7月29日月曜日

第35回浜松医科大学公開講座 その3

わしです。
第35回浜松医科大学公開講座その3です。
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「認知症―早く見つけて早く治療―」
・認知症の定義は「正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたした状態」
・認知機能とは外界の情報を収集・知覚し、判断・推理・記憶すること
・記憶障害や思考判断力の低下などの中核症状と、徘徊・妄想・暴力暴言などの周辺症状がある
・認知症の治療は中核症状と周辺症状に分類して対応
・中核症状に対しては抗アルツハイマー型認知症治療薬を投与
・周辺症状は進行する物忘れや思考判断力の低下による心の不安作用であるため認知症患者全員が伴うものではない
・周辺症状が出現した場合は介護対応の変更や症状に合わせた薬剤投与が有効
・進行抑制は、いかに早く認知症を見つけ進行抑制薬を導入するかがポイント

以上、要点をまとめてみました。
アルツハイマー病の初期には記憶障害より実行機能障害が先に現れやすいそうです。
つまり、もの忘れよりも先に、以前は当たり前のようにできていたことができなくなってくるのです。
おかしいなと思ったら早めに医療機関を受診することが大切です。

認知症専門医を受診するには次のような方法があります。
①かかりつけ医に地域の専門医を紹介してもらう
②市区町村の相談窓口や地域包括支援センター、在宅介護支援センターなどに相談する
日本認知症学会日本老年精神医学会のホームページで専門医を検索する

早期発見で進行を遅らせる、予防や改善につながる対処もある、と覚えておくとよいと思います。
受診すべきかどうかわからない、迷っているという方は、ご本人に限らずご家族の方でもかまいませんので、まずは相談をしてみてください。

2013年7月28日日曜日

周産期・新生児医療から学ぼう~生活習慣病発症リスクとその予防~

みぃです。
第2回はままつ健康フォーラムに参加してきました。特に後半のテーマは興味深い話題でしたので、ここで少しご紹介します。浜松医大の伊東宏晃先生の軽妙なトークで、笑いの絶えない講演でした。

「周産期・新生児医療から学ぼう~生活習慣病発症リスクとその予防~」
・女性のやせ願望は非常に強く、20代の25%はやせ(BMI18.5未満)の状態。ダイエット中に妊娠する人が増えている。やせの女性が低体重児を出産するリスクは最大2倍。
・近年は新生児の10%が2500グラム以下。平均出生体重が減少しているのは先進国で日本だけ。

・すべての妊婦に対して体重増加制限を行っているのは日本のみ。
・日本産婦人科学会が1981年に栄養管理指針を決定した際に根拠としたのはオランダ飢饉(Dutch famine)の疫学調査。妊娠中毒症の発症率が低下したという論文。後に否定されたが、指針はそのままになっている。

・1980年代にBarkerらが出生体重と心疾患の関連を調査。母体の栄養状態が悪い地域ほど成人後の心筋梗塞での死亡率が高く、出生時体重が小さい人ほど虚血性心疾患による死亡が多いという結果が得られた。
・さらに研究が進み、高血圧症、高脂血症、糖尿病などは胎児期の低栄養によって発症することが明らかとなった(FOAD説)。
・現在、「胎児期~幼小児期の環境が成人期の慢性疾患リスクに影響を与える」とする概念(DOHaD)として研究が進んでいる。

・ただし、低体重児を産んだ母親にこの話をするべきかというと、時期尚早。Barker仮説をそのまま現代の日本に当てはめるには生活環境が違いすぎる。さらなる検証が必要。

以上、要点をまとめてみました。
低栄養状態にさらされた胎児は“飢饉”に備えて脂肪をため込みやすい体質に遺伝子が変化してしまう、つまり生まれながらにしてメタボ体質になってしまうという衝撃的な内容でした。 
講演中に妊婦さんの食事調査の結果も紹介されましたが、朝食抜きや夕食はミカン1個という人もいて会場は騒然!食育の重要性を痛感しました。 
結局は、体重やカロリーなどの数字にとらわれすぎずバランスのよい食事を心がけること。しかも妊娠前から気をつけることが重要なようです。
私自身も子供の出生体重が低体重スレスレなので、この話題は以前から気になっていました。小さく産んだ責任として、子供には栄養に関する正しい知識を身につけさせねば…と思っています。

2013年7月22日月曜日

第35回浜松医科大学公開講座 その2

わしです。
第35回浜松医科大学公開講座その2です。
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「運動器の健康から見た長寿の秘訣」

・運動器とは、骨格、筋肉、神経の総称。
・健康寿命とは「寝たきりにならずに身の回りのことが自分でできる寿命」。2012年発表の日本人平均寿命は女性85,9歳、男性79,4歳。健康寿命は女性73,6歳、男性70,4歳。女性は約12年、男性は約9年間が要介護状態で、長寿に運動器の耐用年数が追い付いていないのが現状。

・平成22年厚生労働省国民生活基礎調査では、介護が必要となった原因のトップは関節疾患、骨折・転倒、脊髄損傷など運動器の障害。

・運動器の障害による要介護の状態や要介護リスクの高い状態をロコモティブシンドローム(ロコモ)という。
・ロコモの3大原因は「バランス能力の低下」「筋力の低下」「骨や関節の病気」。7つのロコチェックで確認する(ひとつでも当てはまればロコモかも!)

・ロコモ対策には適切なトレーニング(ロコトレ)、バランスのとれた食事、骨や関節の病気の予防と治療が大切。

・ロコトレは開眼片脚立ちとスクワットの2種類。両脚立ちと比べて片脚立ちは2.75倍の負荷があり、1分間の片脚立ちは53分間の歩行に相当する運動強度がある。
・バランスのとれた食事をして、骨を丈夫にするカルシウム、ビタミンD、ビタミンK、筋肉を作るタンパク質を十分に摂取することも必要。
・骨や関節の病気を指摘されている方は、整形外科を受診して適切な予防、治療を受けることも大切。

以上、要点をまとめてみました。

予防できるという点において、ロコモはメタボと同じです。
「動かない(=運動器の不健康)」から、「動けない(=生活機能低下)」となってしまう前に、積極的に体を動かしていきましょう。
ロコトレの方法はこちらを参照してください。
これならTVを見ながらでもできますね。

鍼灸マッサージには筋疲労を緩和させる効果があります。

運動の前後に、体調管理の一環としてぜひご利用ください。

2013年7月21日日曜日

第35回浜松医科大学公開講座 その1

わしです。
この夏、第35回浜松医科大学公開講座に参加しました。
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少しずつ内容を紹介していきたいと思います。

「長寿のためのメタボ・糖尿病予防対策」
・メタボリックシンドロームの予防には食事、運動療法が最も大切
・運動療法のコツは、日常生活に運動を取り入れること
・食事療法のコツは、
①食習慣を見直す(早食い・ドカ食い・つまみ食い)
②バランスのとれた食事をする(主食・主菜・副菜)
③食品交換表を使いこなす
※食品交換表は、おもに糖尿病の食事療法のために、栄養素ごとに食べ物をグループ分けしてあります。
1単位が80キロカロリーで計算され、同じグループの食べ物は交換できるため、献立が立てやすいといった特徴があります。

以上、要点をまとめてみました。
とはいえ、何をどうすればいいのかわからないなぁゴロゴロ…という方もいるかと思います。
まずは体重を計ることを習慣にしてみたらいかがでしょうか。
私はタニタのインナースキャンという体組成計を使っています。
体脂肪率、内臓脂肪レベルなども表示してくれるという優れものです。
体重以外の要素も把握できるのが意外とおもしろくて、健康管理をするうえで大切なモチベーションの維持につながっています。

運動の一案として、ショッピングモール内を散歩するとよいという話もありました。
季節を問わず快適に歩けますし、退屈もしないですし、確かにいいアイデアですよね。
ただし買い食いにはご用心です!

“予防が大切な疾患”とは言ってみれば“予防ができる疾患”ですので、健康的な生活習慣を身につけて、ぜひ予防に努めていきたいですね。