2015年8月16日日曜日

強くて、温ったかくて、優しい介護 ~がんばらない介護生活~

みぃです。9日に行われた杏林堂健康セミナーで、鎌田實先生の講演を聞いてきました。
鎌田先生といえば『がんばらない』『あきらめない』などのベストセラーで有名で、終末期医療に関わっているイメージが強いと思います。(最近はアテ○トのCMでもおなじみですね)
かつては「健康づくり運動」で減塩をすすめて長野を長寿県にし、その後はチェルノブイリやイラク、最近ではシリアでの医療支援にも取り組んでおられます。

「一人も昼寝させないように」とピンマイクを使って会場を歩き回りながらお話をされていました。
語り口が穏やかで温かいので眠りを誘われそうでしたが、笑いあり涙ありの内容で、あっという間の1時間半でした。

介護にとどまらず地域医療やホスピス、国際医療支援にも話が及びましたが、一貫して「相手の身になって考える」ことの大切さを訴えていらっしゃいました。

病人や障害などハンディキャップを持つ人をハワイ旅行に連れていく活動もしているそうです。
どんな状況になっても可能性のない人はいない、その人らしく在ることが大事、人生を萎縮させない!…と言うのは簡単ですが、毎年開催するのは相当大変だと思います。
旅行に参加した脳血管障害の後遺症を抱えた患者さんが前向きな気持ちを取り戻し、要介護5から2に回復した例もあったそうです。
写真を見せていただきましたが、皆さん最高にいい笑顔でした。

高齢者が年間200時間以上ボランティア活動をおこなうと、高血圧のリスクが40%も低下するというカーネギー・メロン大学の研究も紹介されました。
またペンシルベニア州ロゼットという町では心臓病が平均の半分以下で、調査の結果によると住民同士の絆や助け合いがその理由とされたそうです。
人間は一人になると弱く、相手のために考えて活動するほうが長命らしいのです。

これにはオキシトシンというホルモンが関係しているそうです。
授乳に関わるホルモンですが、スキンシップなどでも分泌され、炎症を抑えたりストレスを緩和したりする働きもあります。(「愛情ホルモン」「幸せホルモン」とも呼ばれます)

自分の人生をまるごと誰かに捧げなくてもいい。
身近に介護で疲れている人がいたら「あなた本当にえらいわね」とほめるだけでも、毎日ご飯を作ってくれる人に「おいしいね」「毎日ありがとう」と声をかけるだけでもいい。
ほんのちょっと相手の身になって行動してみよう!ということでした。