みぃです。
第5回はままつ健康フォーラムに参加してきました。
浜松医療センターの笠松紀雄先生から「中高年のたばこ病」と題して慢性閉塞性肺疾患についての講演がありました。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)はまだ知名度が低いようですが、健康寿命を縮めてしまう厄介な病気です。ぜひこの機会にCOPDについて知っていただきたいと思います。
「中高年のたばこ病~慢性閉塞性肺疾患について」
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)=肺気腫+慢性気管支炎
・COPDの症状:労作時の息切れ、慢性の咳嗽・喀痰
・息切れの原因
1.酸素濃度低下
2.呼吸器疾患:COPD、結核、喘息、気胸、肺癌など
3.心不全
4.貧血
5.筋力低下
6.心因反応
・COPDの原因
外因:たばこ
内因:α1-アンチトリプシン欠損症
・気道を支える肺胞が壊れ、空気が出ていかない状態になる
運動すると肺が膨らんでいく→空気が吸えない
◎息を吐く力が低下する!(※肺活量とは別問題)
・日本におけるCOPDによる死亡数は年々増加
患者数は17.3万人(厚生労働省2008)
推定530万人
喫煙・COPD発症
↓
息切れ・運動能力の低下
↓
筋力低下・日常生活の活動性低下
↓ ↑
うつ → 食事摂取量低下・やせ
・治療:禁煙、薬物療法、呼吸リハビリ、栄養療法など
・ニコチン依存
1.ドーパミン放出:快感、幸福感
2.ノルアドレナリン放出:覚醒作用
3.セロトニン放出:抗不安、抗うつ作用
→ニコチンがないと、これらが脳から放出されなくなる
・たばこは4000種の化学物質を含み、200以上が有害
非喫煙者の受動喫煙でも肺にタールなどが沈着する!
・心理的依存(喫煙習慣) ←薬物療法
身体的依存(ニコチンの渇望)←行動療法
・禁煙のための行動療法
1.行動パターン変更:喫煙を誘う行動(飲酒など)を避ける
2.環境改善法:ライターや灰皿などをすべて処分
3.代償行動法:お茶やガムを代わりにする
最後に保険での禁煙についてお話がありましたが、約3か月計5回の治療で自己負担は1万2千円ほどだそうです。自分で禁煙するより成功率が高く、5~7割の方が卒煙されているようですよ。
COPDには呼吸困難というイメージしかありませんでしたが、実際には活動低下→うつ→やせ…という悪循環を招いてしまうようです。動きたくても動けない体になってしまう、というのは残酷な状況ですよね。
喫煙はご本人はもちろん、周りの人にまで健康被害を与えてしまいます。やはりできるだけはやく卒煙してほしいと思います。
2014年1月26日日曜日
2013年12月28日土曜日
高齢者の摂食・嚥下リハビリテーション
みぃです。
遅くなりましたが、先月30日に行われた「はままつ健康フォーラム」のご報告です。浜松市リハビリテーション病院の藤島一郎先生が、造影検査や内視鏡検査の映像も交えつつ、嚥下について詳しく解説して下さいました。先生が撮影された花の写真にも心が和む、楽しい講演でした。内容をご紹介させていただきます。
「高齢者の摂食・嚥下リハビリテーション
~口から食べることの大切さ~」
・嚥下:飲み込むこと
誤嚥:食道ではなく気管に食物が入ること
(誤飲は食物以外のものを飲み込むこと)
・咽頭は加齢とともに下がってくる
70代80代が顕著→嚥下障害が起こりやすい
・嚥下障害の原因
脳卒中、頭部外傷、神経筋疾患(パーキンソン病など)
代謝性疾患(糖尿病など)
意識障害、認知症
医療行為(手術や挿管による浮腫や損傷など)
薬剤(トランキライザー、筋弛緩約薬など)
☆反復唾液嚥下テスト
口を水で湿らせて、30秒で何回唾をゴクンと飲みこめるか測定
※2回以下しかできない場合は外来へ…
・実は、水はむせやすい!=飲みやすいが誤嚥もしやすい
酢や辛い物もむせやすい
(健常者でも咽頭に若干侵入するので、反射的に咳き込む)
・誤嚥を防ぐポイント
気合を入れる(嚥下に意識を向ける)
息こらえ嚥下(息を吸って、しっかり止めて飲み込む)
おへそを見る(少し下向きで、顎を引く)
右下を見る(7~8割の人は右向きの方が飲みやすい)
トロミをつける
リクライニング位にする
・嚥下おでこ体操は直後効果あり!
額に手を当てて抵抗を加え、おへそをのぞき込む
1セット5回+最後に5秒間維持する
◎明日からできること
・日ごろの健康管理
・安全な食事と摂取法(食べやすいものをゆっくり食べる)
・口腔ケア(朝昼晩と寝る前の歯磨き)
・嚥下おでこ体操
・よくしゃべり、よく笑う
来院される患者さんは男性が多いそうです。一般に女性の方がよくしゃべりよく笑うので、自然にのどの筋肉が鍛えられているのではないか、と考察されていました。
実際に笑っている瞬間の内視鏡映像を見せていただきましたが、のど全体がブルブルとダイナミックに動いていました。筋肉の活動量としては相当なものです。笑うことは色々な側面で健康にいいのですね。
日本人の死因第1位は「癌」2位は「心疾患」ですが、その次は「脳血管疾患」を抜いて「肺炎」になったそうです。
質疑応答で話題に上がりましたが、肺炎球菌ワクチンは誤嚥性肺炎にも一定の効果があるそうです。肺炎球菌も誤嚥性肺炎の一因だからではないか、とのことでした。現在は全額自己負担ですが、誤嚥の危険のある方は接種を検討された方がよいかもしれません。
遅くなりましたが、先月30日に行われた「はままつ健康フォーラム」のご報告です。浜松市リハビリテーション病院の藤島一郎先生が、造影検査や内視鏡検査の映像も交えつつ、嚥下について詳しく解説して下さいました。先生が撮影された花の写真にも心が和む、楽しい講演でした。内容をご紹介させていただきます。
「高齢者の摂食・嚥下リハビリテーション
~口から食べることの大切さ~」
・嚥下:飲み込むこと
誤嚥:食道ではなく気管に食物が入ること
(誤飲は食物以外のものを飲み込むこと)
・咽頭は加齢とともに下がってくる
70代80代が顕著→嚥下障害が起こりやすい
・嚥下障害の原因
脳卒中、頭部外傷、神経筋疾患(パーキンソン病など)
代謝性疾患(糖尿病など)
意識障害、認知症
医療行為(手術や挿管による浮腫や損傷など)
薬剤(トランキライザー、筋弛緩約薬など)
☆反復唾液嚥下テスト
口を水で湿らせて、30秒で何回唾をゴクンと飲みこめるか測定
※2回以下しかできない場合は外来へ…
・実は、水はむせやすい!=飲みやすいが誤嚥もしやすい
酢や辛い物もむせやすい
(健常者でも咽頭に若干侵入するので、反射的に咳き込む)
・誤嚥を防ぐポイント
気合を入れる(嚥下に意識を向ける)
息こらえ嚥下(息を吸って、しっかり止めて飲み込む)
おへそを見る(少し下向きで、顎を引く)
右下を見る(7~8割の人は右向きの方が飲みやすい)
トロミをつける
リクライニング位にする
・嚥下おでこ体操は直後効果あり!
額に手を当てて抵抗を加え、おへそをのぞき込む
1セット5回+最後に5秒間維持する
◎明日からできること
・日ごろの健康管理
・安全な食事と摂取法(食べやすいものをゆっくり食べる)
・口腔ケア(朝昼晩と寝る前の歯磨き)
・嚥下おでこ体操
・よくしゃべり、よく笑う
来院される患者さんは男性が多いそうです。一般に女性の方がよくしゃべりよく笑うので、自然にのどの筋肉が鍛えられているのではないか、と考察されていました。
実際に笑っている瞬間の内視鏡映像を見せていただきましたが、のど全体がブルブルとダイナミックに動いていました。筋肉の活動量としては相当なものです。笑うことは色々な側面で健康にいいのですね。
日本人の死因第1位は「癌」2位は「心疾患」ですが、その次は「脳血管疾患」を抜いて「肺炎」になったそうです。
質疑応答で話題に上がりましたが、肺炎球菌ワクチンは誤嚥性肺炎にも一定の効果があるそうです。肺炎球菌も誤嚥性肺炎の一因だからではないか、とのことでした。現在は全額自己負担ですが、誤嚥の危険のある方は接種を検討された方がよいかもしれません。
2013年9月22日日曜日
うつと不安の上手なつきあい方~認知行動療法~
みぃです。
第3回はままつ健康フォーラムに参加してきました。
国立精神・神経医療研究センターの大野裕先生から認知行動療法についての講演がありました。
うつの患者さんだけでなく、人間関係をスムーズにするためにも活用できそうなお話でしたので、ご紹介します。
「うつと不安の上手なつきあい方」
・「認知」とは~ものの考え方、受け取り方
気持ちや行動は、頭に浮かんだ考え(認知)に影響される
・プラス思考になる必要はない!
現実に目を向け、しなやかに考えて問題に対処する
具体的には…
①気分にかかわらず活動する
・やる気が出るまで行動しないのではなく、活動を通してやる気を呼び起こす
・自分の行動パターンを知り、心が楽になる行動を増やす
②問題解決力をつける
・コラム法~思考を書き出す(整理、客観視に役立つ)
③コミュニケーションの工夫
・自分の言い分優先の「強い言い方」と相手の都合優先の「弱い言い方」を考え、「ほどほどの言い方」を見つける
何度も「悲しむこと、休むこと、がんばりすぎないことも大切」「無理をしてはダメ」というお話があったのも印象的でした。
ちなみに、心が楽になる行動が見つからないときは、五感に働きかける行動から選ぶとよいそうです。例としてマッサージも挙がっていました。笑顔でいると楽しい気分になったり、体の緊張をほぐすことで心の緊張がほぐれたりすることは、様々な医学的心理的実験でも証明されているようです。
最後に「うつ・不安ネット」というサイトの紹介もありました。パソコンやスマートフォンを使って、認知行動療法のスキルを練習できるのだそうです。便利な時代ですね。
第3回はままつ健康フォーラムに参加してきました。
国立精神・神経医療研究センターの大野裕先生から認知行動療法についての講演がありました。
うつの患者さんだけでなく、人間関係をスムーズにするためにも活用できそうなお話でしたので、ご紹介します。
「うつと不安の上手なつきあい方」
・「認知」とは~ものの考え方、受け取り方
気持ちや行動は、頭に浮かんだ考え(認知)に影響される
・プラス思考になる必要はない!
現実に目を向け、しなやかに考えて問題に対処する
具体的には…
①気分にかかわらず活動する
・やる気が出るまで行動しないのではなく、活動を通してやる気を呼び起こす
・自分の行動パターンを知り、心が楽になる行動を増やす
②問題解決力をつける
・コラム法~思考を書き出す(整理、客観視に役立つ)
③コミュニケーションの工夫
・自分の言い分優先の「強い言い方」と相手の都合優先の「弱い言い方」を考え、「ほどほどの言い方」を見つける
何度も「悲しむこと、休むこと、がんばりすぎないことも大切」「無理をしてはダメ」というお話があったのも印象的でした。
ちなみに、心が楽になる行動が見つからないときは、五感に働きかける行動から選ぶとよいそうです。例としてマッサージも挙がっていました。笑顔でいると楽しい気分になったり、体の緊張をほぐすことで心の緊張がほぐれたりすることは、様々な医学的心理的実験でも証明されているようです。
最後に「うつ・不安ネット」というサイトの紹介もありました。パソコンやスマートフォンを使って、認知行動療法のスキルを練習できるのだそうです。便利な時代ですね。
2013年7月28日日曜日
周産期・新生児医療から学ぼう~生活習慣病発症リスクとその予防~
みぃです。
第2回はままつ健康フォーラムに参加してきました。特に後半のテーマは興味深い話題でしたので、ここで少しご紹介します。浜松医大の伊東宏晃先生の軽妙なトークで、笑いの絶えない講演でした。
「周産期・新生児医療から学ぼう~生活習慣病発症リスクとその予防~」
・女性のやせ願望は非常に強く、20代の25%はやせ(BMI18.5未満)の状態。ダイエット中に妊娠する人が増えている。やせの女性が低体重児を出産するリスクは最大2倍。
・近年は新生児の10%が2500グラム以下。平均出生体重が減少しているのは先進国で日本だけ。
・すべての妊婦に対して体重増加制限を行っているのは日本のみ。
・日本産婦人科学会が1981年に栄養管理指針を決定した際に根拠としたのはオランダ飢饉(Dutch famine)の疫学調査。妊娠中毒症の発症率が低下したという論文。後に否定されたが、指針はそのままになっている。
・1980年代にBarkerらが出生体重と心疾患の関連を調査。母体の栄養状態が悪い地域ほど成人後の心筋梗塞での死亡率が高く、出生時体重が小さい人ほど虚血性心疾患による死亡が多いという結果が得られた。
・さらに研究が進み、高血圧症、高脂血症、糖尿病などは胎児期の低栄養によって発症することが明らかとなった(FOAD説)。
・現在、「胎児期~幼小児期の環境が成人期の慢性疾患リスクに影響を与える」とする概念(DOHaD)として研究が進んでいる。
・ただし、低体重児を産んだ母親にこの話をするべきかというと、時期尚早。Barker仮説をそのまま現代の日本に当てはめるには生活環境が違いすぎる。さらなる検証が必要。
以上、要点をまとめてみました。
低栄養状態にさらされた胎児は“飢饉”に備えて脂肪をため込みやすい体質に遺伝子が変化してしまう、つまり生まれながらにしてメタボ体質になってしまうという衝撃的な内容でした。
講演中に妊婦さんの食事調査の結果も紹介されましたが、朝食抜きや夕食はミカン1個という人もいて会場は騒然!食育の重要性を痛感しました。
結局は、体重やカロリーなどの数字にとらわれすぎずバランスのよい食事を心がけること。しかも妊娠前から気をつけることが重要なようです。
私自身も子供の出生体重が低体重スレスレなので、この話題は以前から気になっていました。小さく産んだ責任として、子供には栄養に関する正しい知識を身につけさせねば…と思っています。
第2回はままつ健康フォーラムに参加してきました。特に後半のテーマは興味深い話題でしたので、ここで少しご紹介します。浜松医大の伊東宏晃先生の軽妙なトークで、笑いの絶えない講演でした。
「周産期・新生児医療から学ぼう~生活習慣病発症リスクとその予防~」
・女性のやせ願望は非常に強く、20代の25%はやせ(BMI18.5未満)の状態。ダイエット中に妊娠する人が増えている。やせの女性が低体重児を出産するリスクは最大2倍。
・近年は新生児の10%が2500グラム以下。平均出生体重が減少しているのは先進国で日本だけ。
・すべての妊婦に対して体重増加制限を行っているのは日本のみ。
・日本産婦人科学会が1981年に栄養管理指針を決定した際に根拠としたのはオランダ飢饉(Dutch famine)の疫学調査。妊娠中毒症の発症率が低下したという論文。後に否定されたが、指針はそのままになっている。
・1980年代にBarkerらが出生体重と心疾患の関連を調査。母体の栄養状態が悪い地域ほど成人後の心筋梗塞での死亡率が高く、出生時体重が小さい人ほど虚血性心疾患による死亡が多いという結果が得られた。
・さらに研究が進み、高血圧症、高脂血症、糖尿病などは胎児期の低栄養によって発症することが明らかとなった(FOAD説)。
・現在、「胎児期~幼小児期の環境が成人期の慢性疾患リスクに影響を与える」とする概念(DOHaD)として研究が進んでいる。
・ただし、低体重児を産んだ母親にこの話をするべきかというと、時期尚早。Barker仮説をそのまま現代の日本に当てはめるには生活環境が違いすぎる。さらなる検証が必要。
以上、要点をまとめてみました。
低栄養状態にさらされた胎児は“飢饉”に備えて脂肪をため込みやすい体質に遺伝子が変化してしまう、つまり生まれながらにしてメタボ体質になってしまうという衝撃的な内容でした。
講演中に妊婦さんの食事調査の結果も紹介されましたが、朝食抜きや夕食はミカン1個という人もいて会場は騒然!食育の重要性を痛感しました。
結局は、体重やカロリーなどの数字にとらわれすぎずバランスのよい食事を心がけること。しかも妊娠前から気をつけることが重要なようです。
私自身も子供の出生体重が低体重スレスレなので、この話題は以前から気になっていました。小さく産んだ責任として、子供には栄養に関する正しい知識を身につけさせねば…と思っています。
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