2014年1月26日日曜日

中高年のたばこ病 ~慢性閉塞性肺疾患(COPD)~

みぃです。
第5回はままつ健康フォーラムに参加してきました。
浜松医療センターの笠松紀雄先生から「中高年のたばこ病」と題して慢性閉塞性肺疾患についての講演がありました。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)はまだ知名度が低いようですが、健康寿命を縮めてしまう厄介な病気です。ぜひこの機会にCOPDについて知っていただきたいと思います。

「中高年のたばこ病~慢性閉塞性肺疾患について」
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)=肺気腫+慢性気管支炎
・COPDの症状:労作時の息切れ、慢性の咳嗽・喀痰
・息切れの原因
 1.酸素濃度低下
 2.呼吸器疾患:COPD、結核、喘息、気胸、肺癌など
 3.心不全
 4.貧血
 5.筋力低下
 6.心因反応
・COPDの原因
 外因:たばこ
 内因:α1-アンチトリプシン欠損症
・気道を支える肺胞が壊れ、空気が出ていかない状態になる
 運動すると肺が膨らんでいく→空気が吸えない
◎息を吐く力が低下する!(※肺活量とは別問題)

・日本におけるCOPDによる死亡数は年々増加
 患者数は17.3万人(厚生労働省2008)
 推定530万人

喫煙・COPD発症

息切れ・運動能力の低下

筋力低下・日常生活の活動性低下
↓             ↑
うつ → 食事摂取量低下・やせ

・治療:禁煙、薬物療法、呼吸リハビリ、栄養療法など
・ニコチン依存
 1.ドーパミン放出:快感、幸福感
 2.ノルアドレナリン放出:覚醒作用
 3.セロトニン放出:抗不安、抗うつ作用
 →ニコチンがないと、これらが脳から放出されなくなる
・たばこは4000種の化学物質を含み、200以上が有害
 非喫煙者の受動喫煙でも肺にタールなどが沈着する!
・心理的依存(喫煙習慣)    ←薬物療法
 身体的依存(ニコチンの渇望)←行動療法
・禁煙のための行動療法
 1.行動パターン変更:喫煙を誘う行動(飲酒など)を避ける
 2.環境改善法:ライターや灰皿などをすべて処分
 3.代償行動法:お茶やガムを代わりにする

最後に保険での禁煙についてお話がありましたが、約3か月計5回の治療で自己負担は1万2千円ほどだそうです。自分で禁煙するより成功率が高く、5~7割の方が卒煙されているようですよ。
COPDには呼吸困難というイメージしかありませんでしたが、実際には活動低下→うつ→やせ…という悪循環を招いてしまうようです。動きたくても動けない体になってしまう、というのは残酷な状況ですよね。
喫煙はご本人はもちろん、周りの人にまで健康被害を与えてしまいます。やはりできるだけはやく卒煙してほしいと思います。