2015年9月6日日曜日

『カレーを食べると病気はよくなる』丁宗鐡

みぃです。
カレーもインドも大好きなので、興味を惹かれて本書を手に取りました。
本当にカレーで病気がよくなるわけはないのですが、スパイスの薬理効果の一端を知ることができて興味深かったです。

まず「カレーは完全に日本食」らしいです。
インドでは、スパイスの効いた汁気のある料理全般をカレーと呼びます。
いわばみそ汁のようなものだそうです。
裕福な家庭でもスパイスの数は5種類くらい、それに対して日本のカレールゥは少ないもので15種類、多くて30種類位のスパイスがブレンドされており、なんとインド人が日本のお土産に買って帰ることもあるそうです。

日本にスパイスが伝わったのは奈良時代、おそらく海のシルクロードを通って伝わったと考えられています。
日本独自のカレーは明治期の海軍生まれで、揺れる艦の上で食べるために、とろみをつけてご飯にかけるという工夫をされたそうです。

カレーに欠かせないスパイスですが、漢方薬の原料である生薬とも共通しています。
体に対する効能をおおまかにまとめると、
①食欲の調整:少量なら亢進、多量なら抑制に働く
②寒暑にたいする適応力がつく
③抗菌作用
④減塩効果
⑤新陳代謝促進
などが挙げられるそうです。

カレーの黄色はターメリック(ウコン)によるものです。
古くから漢方やアーユルヴェーダで薬として使われてきましたが、近年、その色素成分のクルクミンに抗ガン作用があることも動物実験で明らかになったそうです。
もちろん食と薬に同等の効果を求めるのは行き過ぎで、カレーは食事として美味しく楽しむこと、健康効果はその副産物だと考えることが基本だそうですよ。

調理のポイントですが、スパイスを楽しむなら煮込みすぎは厳禁!とのこと。
100度以上にするとスパイスの成分が壊れてしまうので、ルゥが溶けたら火を止めて、味をしみこませる方がよいそうです。

ご家庭でカレーをつくるとき、好みのスパイスを入れて、手軽な薬膳料理として楽しむのも面白いですね。