2013年8月25日日曜日

第35回浜松医科大学公開講座 その9

わしです。
第35回浜松医科大学公開講座その9です。
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「超高齢化時代を迎え
排尿障害をいかに克服するか」
・膀胱から尿道の出口までを「下部尿路」という
・蓄尿機能…膀胱内に尿を貯留する働き
・排尿機能…貯留した尿を尿道から排出する働き
・一般的には蓄尿障害を含めて排尿障害とされている
・下部尿路障害を起こす疾患のほとんどは致死的疾患ではなく、生活の質(Quality Of Life=QOL)を損なう疾患
※致死的疾患→腎臓がん、膀胱がん、前立腺がんなど
・主な尿失禁…腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、混合性尿失禁
・20~50才女性の20~25%が腹圧性尿失禁
・腹圧性尿失禁には症状の軽い順に運動療法、薬物療法、手術療法があり、干渉低周波療法(有効率30~70%)という選択もある
・過活動膀胱(OverActive Bladder=OAB)…40才以上男女の12.4%、約800万人(このうち切迫性尿失禁がある人は約400万人)
・OABの治療
①行動療法→生活指導(水分・カフェインの摂取制限)、膀胱再訓練(排尿間隔を少しずつ延長させ膀胱容量を増加させる)、骨盤底筋訓練、排泄介助
②薬物療法→抗コリン薬(副交感神経遮断)…異常な膀胱収縮を抑え、膀胱容量を増やす

以上、要点をまとめてみました。
致死的疾患ではないものの、QOLの低下を招く下部尿路障害は苦しいものだと思います。しかし、決して諦めることはありません。
QOL疾患の受診の目安は、現れている症状のために「行動が制限されて困る」といった、日常生活での支障があるかどうかです。
日常生活に支障があり、症状の改善を希望する場合は、必ず泌尿器科を受診しましょう。
気になる方はまず、こちらでご自身の症状をご確認ください。
尿失禁の頻度や量、日常生活に対する影響や尿失禁の種類を自分で把握するための質問票です。
大切なのは患者さん自身がどう感じているかです。独りで抱え込まずに、専門家にご相談ください。